背景には、ウイグル族の問題と未だテロ活動が続く深南部のマレー系住民の存在が挙げられる。7月、政府はタイに入国を希望するウイグル族約100人を中国に強制送還し、イスラム過激派組織から反発を買ったとも言われている。また、深南部のマレー系タイ人は、現在でも独立を目指す動きがあり、長きに渡りテロ活動を続けているのは、タイ在住の多くの方がご存知だろう。
上記とともに嫌疑をかけられているのが、軍事政権に反対するタクシン元首相支持層の赤シャツ隊(反独裁民主戦線)。ただ、事件直後、赤シャツ隊のジャトゥポーン代表はフェイスブックに犯人を非難するコメントを載せ、幹部のソムワン氏は有力情報の提供者に200万バーツの懸賞金を出すと発表。また、海外逃亡中のタクシン元首相もツイッターで「犯人を強く非難する。今回の被害は一般人だけではなく、国の経済にもダメージを与えた」と投稿した。多くのメディアも赤シャツ隊がわざわざ一般人を巻き込むような無差別殺人を行うメリットは少ない、と報じている。警察庁長官のソムヨット大将は「現状、犯人が外国人とは断定できない。原因についても政治問題なのかウイグル族の問題なのかもわからない」と話し、21日時点でも決定的な証拠を掴めずにいる。
わかっているのは、爆発事件が起きた場所が、エラワン廟、サトーン船着場という観光客が集まるエリアだということ。スクンビットも、シーロムも、世界中から多くの観光客が集まるのは言うまでもない。くれぐれも注意してもらいたい。