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タイが青く染まった日、「バイク・フォー・マム」

  
総距離43㎞を自転車で走る同イベントは「王妃の誕生を祝い、国家に愛と調和を取り戻す」とプラユット暫定首相が発案。開催前から、「タイの歴史を塗り替える、最大級の催しとなるだろう」(同)と鼻息荒く、テレビでは連日CMが流れ、王妃のシンボルカラーの青いシャツを販売するなど、開催前からかつてない盛り上がりを見せた。7月25日の事前予約日には、登録希望者数千人が炎天下のなか、長蛇の列を作った。
 
そして、待ちに待った8月16日のイベント当日。スタート地点のドゥシットマハプラサート宮殿前は、多くの参加者が集い、青一色に染まる。午後3時すぎ、皇太子を先頭に、プラユット暫定首相や閣僚、軍・警察幹部、一般参加者が一斉に自転車のペダルをこぎはじめ疾走。沿道には、青いシャツを着た多くの国民が青い旗を振りながら応援した。
 
同イベントは、まさにタイの歴史を塗り替える催しとなった。参加者はタイ国内(バンコク以外でも同時開催)で、14万6266人に上り、サイクリングイベントとしては、それまでの台湾(7万2919人)を抜きギネス世界記録を更新した。
 
7㎞の部に参加したオムさん(女性・国防官僚)は、「王妃のお誕生日、そして母の日をお祝いしたく参加しました。登録日は4時間も並び、昨夜も緊張して寝付けませんでした」。ボランティアスタッフとして参加したノットさん(男性)は、「サイクリングは趣味として7年間続けてきました。70歳なので、今しかできないと思い応募しました」。
 
こうして、多くの参加者とそれを支えるボランティアの手によって、同イベントは、タイの歴史に刻まれた。
 
現在、バンコクでは、爆発事件が相次ぎ、国民の悲しみと喪失感は計り知れないだろう。しかし、「バイク・フォー・マム」で感じられた愛国心と団結心で、乗り越えてほしい。