ギリシャはEUから最大860億ユーロに上る第3次支援を受ける代わりに、財政再建を柱とする構造改革の実施で合意。第1弾となる年金・税制改革法案は16日に可決した。第2弾となる今回の法案は、EU域内の銀行が危機に陥った際の救済、破綻処理の手続きを一元化する制度に沿って、破綻した銀行の一定の損失を債権者、大口預金者に負担させる制度を国内で導入することや、民事訴訟の費用を減らすため訴訟手続きを簡素化することなどが盛り込まれている。議会は賛成230票、反対63票で可決した。与党からは36人が反対または棄権に回ったが、造反者は年金・税制改革法案の採決時の39人を下回った。
EUは年金・税制改革法案が可決した時点で、約71億ユーロのつなぎ融資実施を決め、これによってギリシャは先月末が期限だった国際通貨基金(IMF)への債務返済を終え、「延滞国」扱いが解除された。欧州中央銀行(ECB)も「緊急流動性支援(ELA)」に基づくギリシャの銀行に対する資金繰り支援を拡大し、9億ユーロ増額したことから、銀行は20日に営業を再開した。ECBは22日、同支援をさらに9億ユーロ上積みすることを決めた。
EUとギリシャ政府は、ECBが保有する約32億ユーロのギリシャ国債が償還期限を迎える8月20日までに新支援実施で合意したい考えだ。当初は債権者である欧州委員会、ECB、IMFとギリシャの代表による実務者協議が24日にアテネで始まるとみられていたが、交渉場所が決まらず、債権者側の到着が送れており、28日に開始の見込みとなっている。