経産省が「通商白書 2015年版」を公開、日本の海外で稼ぐ力は?
経済産業省が3日に公表した「通商白書 2015年版」によると、 日本における近年の経常収支構造は対外的な稼ぎ方の変化を示している可能性があると指摘された。2014年の経常収支は過去最小の2兆6,458億円となり、貿易赤字が膨らむ一方で、直接投資収益など第一次所得収支の黒字が過去最大にまで伸びている。
【日本が海外で稼ぐ力を「輸出する力」「呼び込む力」「外で稼ぐ力」の3つで検証】
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「輸出する力」では、円安による価格競争力アップを要因に足元で輸出数量は回復傾向にあるが、世界的に需要が伸びる成長性の高い品目の輸出シェアは47%と、ドイツ(71%)やアメリカ(74%)などよりも低く、付加価値の引き上げに課題を抱えていると指摘されている。
「外で稼ぐ力」として、海外進出企業の収益と日本への環流状況が分析されている。海外現地法人の国内向け支払い(配当金とロイヤリティの合計)は増加傾向にあり、企業のグローバル化が進むなか、成長のための資金が日本に再度投じられることが必要であるとしている。
また、2014年の訪日外国人数が1,300万人超と過去最高を記録し、インバウンド消費への期待も高まることから、「呼び込む力」が向上しつつあるとしている。
【立地競争力とグローバル経営力の強化が求められる】
日本が世界で稼ぐ力を伸ばしていくためには、海外誘致による対内直接投資の拡大とともに、企業のグローバル経営力強化が不可欠とされる。2006~2013年度において、日系グローバル企業は売上高・営業利益成長率がともに欧米などよりも劣位にあり、収益性の低さが指摘されている。
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