日本経済研究センターは30日、中国とASEAN4ヶ国(タイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン)における2025年までのGDP成長率予測を発表し、各国とも「中所得国の罠」を完全に克服できず、今後10年間で成長は鈍化する見通しであるとした。
今年で7%程度の成長を見込む中国は、追加的な金融緩和の効果が頭打ちとなることで2017年以降に大きく減速し、2020年で5.2%、2025年で4.1%に低下するとした。また、ASEAN4ヶ国も、中国が低迷する影響により、平均成長率は2016年の5.3%をピークに、2025年に4.1%まで低下するとした。
「中所得国の罠」とは、経済発展における戦略転換を順調に行えず、長期的な停滞によって高所得国になかなか移行できない状態をいう。同センターは、予測期間内(2015~2025年)で安定的に高所得国の仲間入りをするのは5ヶ国のなかでマレーシアのみだとしている。